お盆とお彼岸の意味と違いをご存知ですか
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毎年必ずやってくるお盆とお彼岸
今年、小学生に上がる子供から先日、こんな質問をされました。
今回も難問です!
「ぱぱ、お盆とお彼岸ってなぁにするの? 同じ事?」
猫背ファミリーはお盆・お彼岸はお墓参りに行きます。
家族みんなで一緒にお墓を洗い整えお線香をあげてお参りします。
小さい頃から続けて来たので、いつしか猫背KIDの中にも
こんな素朴な疑問(質問)が生まれて来たのでしょう。
子供の成長、嬉しい限りですね。。
。。が!。。。しかし
あれ 「違いそう言えば なんだ?」子供に詳しく違いを話せるかな?
子供に説明すると言う事は、いつだって教える事に対して
深い知識がないといけませんね。そして理解していないと
子供には到底説明なんて出来ない物です。
「え〜〜っと お盆とお彼岸の違いは。。」
|
ふう〜なんとか上手く言えたかなぁ。。。
「じゃぁパパ 同じって事だよね?」
う~ん。同じだよなぁ~。。。(あ~恥ずかしい)。。。
やはりこう言う時こそ親の威厳にかけて、しっかり
ビシっと教えたいものですね。
もどかしさをバネに、一念発起して、調べてみました。
お盆とは?お盆に秘められたストーリー
お盆とは!
ずばり古来からある日本文化(檀家制度などと)と仏教の教えが混ざり合い
融合(習合・シュウゴウ)し生まれた、日本独特な行事です。お盆の期間中、先祖様をあの世から
家へお迎えし、もてなし、供養し、またあの世へお送りします。
方程式風に書くと
日本文化(祖霊信仰) + 仏教 = お盆誕生!
となりますね。
それでは、まずお盆要素1/2、日本文化とはなんでしょう?
それは江戸時代まで遡ります。昔々の江戸時代、幕府は国民の意思団結の為、
宗教統一を計りキリシタンを一斉排除にかかります。
その時、キリシタン排除ローラー大作戦にて幕府が導入した制度が
檀家制度(ダンカセイド)です。
檀家制度とは?!
|
そして檀家制度活動の一環として「先祖を敬う日・行事」が生まれました。
お盆1/2の誕生です。
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さてそれでは残り半分の仏教の要素は何なんでしょうか?
日本文化(祖霊信仰)+ 仏教 = お盆誕生!
それは、お釈迦様のエピソードに関係しています。
その昔、目連尊者(モクレンソンジャ)と言うお釈迦様の弟子が
死後の世界で逆さ釣りにされ苦しむ母をどうにか助けたいと
お釈迦様に相談しました。
相談を受けたお釈迦様は7月15日頃、夏の修行が終わった際に
目連尊者に自宅へ僧侶を招き供物を捧げ母を供養するように告げます。
目連尊者は言われた通り夏の修行明け7月15日に
僧侶を招き入れ亡き母の供養をしたのです。
そして見事!餓鬼道世界で苦しむ
母を開放し神の住む西の果て、極楽浄土へ行かせる事が出来ました。
このエピソードが元に「先祖を供養する」行事が生まれ、
日本に「盂蘭盆会(ウラボンエ)」と言う名称で伝わり、西暦606年
推古天皇(スイコテンノウ)時代に日本文化と習合(ミックス)され日本独特の
お盆が誕生しました。
どうして盂蘭盆会と言うの?
釈迦様の住まわれていた地方の言語、サンスクリット言葉で「逆さ釣り」はウラバンナと発音し、そのウラバンナが音写され「盂蘭盆会(ウラボンエ)」として日本に伝わりました。 |
お盆の時期の違いはなに?
お盆ですが、実は都心部と地方(田舎)では何故か?
日にちが1ヶ月ずれております。
どうしてでしょう?
そこには「旧暦」がとても深く関わっています。
都心部のお盆は7月15日
現在、毎年7月15日前後が都心部でのお盆として定着しております。
その一方で地方部(田舎)では1ヶ月遅れの8月15日前後を
「お盆」として先祖供養の為、お墓参りをします。
旧暦において新年始めての満月を1月15日とし神を祀り(マツリ)
その半年後の満月の日を7月15日だった所から
7月15日がいつしか先祖を祀る(まつる)日とし、
風習とし後世へ受け継がれるようになりました。
そして近年、地方ではお盆は8月15日と定められるように
なんとなく、そうなんとなくなったのです。
なぜ8月15日がお盆になったのか、誰が決めたのかは不明ですが、
おそらく8月15日前後にお盆を動かしたのは、その時期が
一番夏休みなども重なり親族が集まりやすいからと言うのが
有力な説です。
東京の半分以上の方が地方出身者と言われる左近
7月15日前後では田舎に帰りずらい
やはり親族一同が集まりやすい時期は8月となった訳なのですね。
お盆とは
先祖を敬い家へ先祖の霊をお迎えし、もてなす行事。
時期は都心部では7月15日(地方では8月15日) |
さてさて次は そして年に2回やってくるお彼岸です!
お彼岸とは
お彼岸とは
日本独特の風習で、お盆と同じく ずばり先祖を敬う行事です。
年に2回、春分の日と秋分の日の前後3日、合計7日間を「お彼岸」と称し
行われ、此岸(シガン・こちらの世界)から彼岸(極楽浄土・悟りの地)へ
行けますようにと願います。
お盆とは違いお彼岸は、
祖先に家へお越し頂くのではなく、こちらから近くへお伺いするイメージです。
お彼岸と言う名前の由来は
仏教発祥の地のサンスクリット語「パラミーター」(般若心経にも出てくる「波羅蜜多」)から
音写で「到彼岸・トウヒガン」→「彼岸」と代わり伝わりました。
このパラミーターとは六波羅蜜(ロクハラミツ)と言う修行の事で
悲しみ苦しみ、ありとあらゆる欲望、煩悩を川に流し、この世の(此岸・シガン)から
悟りの地、神様の住む彼岸へ
到達する為に行われる修行とされています。
そして後世「彼岸」とし、日本に伝わり
「今の自分がいるのはご先祖様のいるお陰だ、ご先祖様を供養しよう!」
と平安時代中頃から「お彼岸」が日本に定着しました。
それでは何故、春分の日、秋分の日が「お彼岸」として
定着したのでしょうか?
それにはこんな意味深き真意が込められてました。
お彼岸はなぜ? 春分の日と秋分の日?
その昔、仏教徒の日本では阿弥陀如来(アミダニョライ)さま(仏様)は
真西の方角、遥か彼方、「極楽浄土」と言う場所に住まわれていると
考えられてました。
そして
その極楽浄土(彼岸)と我々の住む世界「此岸(シガン)」が
もっとも距離的に近づく日、太陽が真西に沈む日を「お彼岸」と定め
先祖を敬う風習が生まれました。
太陽の周りを地球が回る周期の中で真西に太陽が沈む日が年に2回ありそれらを春分の日、秋分の日と名付け、受け継がれてます。
お彼岸の時期は?
お彼岸の時期は春分の日、秋分の日の前後3日の合計7日間で構成されます。
毎年、だいたい
- 春分の日:3月21日
- 秋分の日:9月23日
あたりとなります。共に国民の祝日です。
まとめ
今までお話させて頂きましたお盆とお彼岸を簡単に表にしてみました!
ご覧下さい。
お盆とお彼岸の表
お盆 | お彼岸 | |
由来? | お釈迦様の教えと日本文化(祖霊信仰)檀家制度等のイベントが習合した、ご先祖様をご先祖様をお迎えし、もてなし、また極楽浄土へお見送りすると言う日本古来の行事です。 | 遙か真西の彼方に存在する極楽浄土から毎年2回、太陽が真西に沈む春分&秋分の日にこちらからご先祖様に近づき敬うと言う日本独特の行事です。 |
どんな日? | 戻って来て頂いたご先祖様をもてなし、供養し、そしてまた彼岸(極楽浄土)へと送り出す日。 | ご先祖様があの世で味わっている苦しみや困難が無くなります様にと願う日。あの世へ少しでも近づけますようにと修行をする日。 |
お墓参りは しますか? |
YES | YES |
期間 | 都会では7月15日 地方(田舎では)8月15日 |
年2回 春分の日(3月21日前後) 秋分の日(9月23日前後)を中心に前後3日の合計7日間 |
ご先祖様の 滞在期間 |
現世に戻っては来ない。 | 此岸(シガン・現世)に戻り7日間滞在する |
主な お供えのお花 |
菊 | 彼岸花 |
最後に
みなさま、「お盆とお彼岸の違い」は いかがでしたでしょうか?
お盆とお彼岸は生まれや行事内容にて多少の違いはありましたが
どちらも先祖を敬う日と言うのは同じでしたね。
- お盆はご先祖様を家へ迎えもてなす
- お彼岸はこちらからご先祖様へ歩み寄る
私、猫背は日本のこのような考え方が純粋にとても好きです。
ご先祖様を敬う気持ちを大切にし、
今の自分があるのはご先祖様のお陰だと感謝する気持ちに
古き良き日本を強く感じます。
そして
祖霊信仰や仏教の教えが絶妙に絡み合い
檀家制度なども飛び出し長い年月を重ねて融合し結晶となった
これら日本独特の風習は、とても洗練されていて尊い行為であり
世界に誇れる日本ではないでしょうか。
お盆・お彼岸 この2つの行事がある事で、忙しい現代社会に生きる
家族にも毎年、「お盆には帰ろう」「お彼岸にはお墓参りに行こう」と
家族と集まる、先祖を敬う理由や動機が自然と生まれ、機会があります。
是非ともこの素晴らしいジャパニーズ・トレディション、伝統を
猫背は大切に子供たちに伝えて行きたいと思います。
さてさて
これでもう いつ何処でお子さんに聞かれても バッチシ!大丈夫ですね!
最後までお読み頂きありがとうございます。
裏町猫背(ウラマチネコゼ)。